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結論
結論として、私と妻の家族との話は平行線のまま終わった。
唯一の進展として、
『子供が父親と一緒に住みたい』
と言った時は、間違いなく私の方に渡す事。
これだけが決定事項として決まった。
当然だが、私の両親は私と同じ意見であり、同じ気持ちである。
こちらの家で生活していた期間がない子供が、いつそんな事を言うのか。
甚だ疑問である。
だが、いつまでも平行線のまま、重苦しい空気を続けても埒が明かない。
ならばいっそ、私が折れるようにはなるが、結論を出さないと意味がない。
もう1月の後半。まもなく入学式の準備もある。
子供の入学に間に合わないようでは、本末転倒だ。
そう思った私は、何度も釘を刺して確かめた事がこれなのである。
小さい頃からずっと面倒を見てきた義母。
我が子のように相手をしてきた義兄。
初孫として大切にしている義父。
その気持ちは分からないでもない。むしろ痛いほどよく分かる。
それ故に、手放したくないのだろう。
だが、それを言えば「ワガママ」としか言われない事を、向こうも承知なのだろう。
あれこれと理由らしい事を言うが、どれも子供を渡さない理由にはならない。
子供が親と暮らせない理由というのは、そんな簡単なものではない。
むしろ重大事項がないと、親と子供が離れて暮らす事など本来ないのだ。
誰も二度と会わせないと言っているわけではない。
父親として、子供の面倒をしっかりと見ていきたい。そう言っているだけ。
当たり前の事、当然の事、必然の権利を主張しているに過ぎない。
が、それが通らないとなると方法は一つである。
私は話し合いが終わり妻の家族が帰った後、妻に線香を焚いた。
『どうやら小学校入学のタイミングでは引き取れないみたい。ゴメンね。
でも一緒に住みたいって言えば渡すって事は確認したし、向こうも了承したから。それなら言わせるしかないよね。2人で出掛けたりして、向こうの家族に遠慮せずに遊んだりしてさ。一緒に暮らしたいって思えるようにする事が、今やるべき事だよね。ちょっと頑張ってみるわ』
そう、妻に報告をした。
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