決定

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決定

2022年。夏 いまだ、新型コロナウイルスの脅威は続いている。 感染者数に波はあるものの、新たな株が発生しては猛威を振るっていた。 そんな中、2度目のお盆の時期になった。 私は、初盆の時に購入したお盆用の提灯などを飾り、先の見えない状況に対して、ある決意をした。 それは、お墓を早めに建立しようというもの。 お盆やお彼岸や年末年始。 ふと思い出した時や時間がある時。 妻にお花を供えたい、線香の1本でも手向けたい、近況の報告をしたい。 そんな風に思うのは、きっと私だけではないだろう。 たくさんの妻のお友達さんや、歌のお仲間さんも、同じ気持ちになるに違いない。 だが、こうも頻繁に新型コロナウイルスが猛威を振るっていては、私の家に来る事は難しいだろう。 そもそも、気を使うし気軽に行けるものでもない。 それが、お墓ならどうだろう。 納骨を終えたお墓ならば、新型コロナウイルスの最中でも問題はないだろうし、私に気を使う必要もなく気軽に足を運べるのではないか。 まだお別れの挨拶すらもしていない人がたくさんいる。 その人達が、自分の都合で足を運べる状況にする事も、私の役目ではないか。 そう思ったのだ。 半年経てば3回忌となる。 先行きの見えない現状を嘆くよりも、今、考えうる最善策をするべき。 ならば、3回忌を終えた後、納骨をしてはどうだろう。 時間はある。 お墓をじっくり考え、石屋を選ぶ時間も十分にある。 費用を工面する時間も必要だ。 今からすぐにでも動かなければならない。 お盆で帰ってきているだろう妻に報告し、私はすぐさまお墓建立に向けて動き出した。
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