対面

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対面

ある日曜日。私は仏具店に来た。 前日の土曜日に妻の実家に電話をし、お墓について話をするから子供に会いに行けないと連絡はしている。 今日は時間がたっぷりある。 色々と詳しい事を聞き、カタログなんかがあれば持って帰りたい。 約束の時間はお昼1時。 私は約束の時間10分前、お店に入りお墓の相談に来た事を伝えた。 すると、中から少し小太りの眼鏡をかけた男性が額の汗を拭いながら出てきた。 『あぁ~すみません。お待たせしました』 私は軽く会釈をすると、入り口付近にあるテーブルへと通された。 受付の女性が冷たい麦茶を持ってきてくれたので、軽く喉を潤した。 名刺を渡されて軽い自己紹介をされた後、 『新しくお墓を作りたいという事でお話を伺ってますが、どのようなお墓がいいとかありますか?』 と、たずねてきた。 私は 『いえ、全く決まってないです。石もどれが良いとか分からないし、正直費用もどれくらいかかるか分からないので…』 と、素直に言った。 『なるほど。お墓は高いってイメージがありますからね。ぶっちゃけて言うと、お墓の金額っていうのは、基本的に石の料金が8割くらいを占めてます。なので、高い石でお墓を作ると高くなりますし、安い石だと安くもなります。』 『その、石の高い安いって何が違うんですか?違いとか全く分からないので…』 と、私が質問すると、 『石の違いは大きく分けて4種類です。国産、外国産、吸水性の良し悪し。これだけです』 意外だった。 私の想像だと、もっとたくさんの石の種類があって、産地や種類によって金額が違うものだと思っていた。 霊園でよくみかけるグレーの石は、きっとたくさんの人が使ってるから安くて、あまり見かけない薄いピンク色の石やオレンジっぽい色の石はきっと高いのだろう。 宝石でもそうだ。 石の種類や産地によって、その値段は大きく変わる。 だからきっとお墓も同じだと、勝手に思い込んでいた。 所謂、偏見というものだろう。 その私の中の偏見を覆す為、もっと石の事を聞かなければ。 私はさらに詳しく聞いてみる事にした。
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