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最後の手紙
この手紙を読んでいるということは、お前は最後の宝箱を開けたのだろう。
広大なダンジョンの攻略、本当にご苦労だった。
そう、伝説の大迷宮と言うのは真っ赤な嘘だ。
からっぽ、徒労、無駄足、あらゆるがっかりする単語を授けよう。「ふざけるなクソ親父」という悪態が聞こえてくるようだが、復讐したくとも私はすでに死んでいる。残念だったな。
お前は昔から命を敬う気持ちを持たない子供だった。
不治の病を得た私が後悔したのは、ただひとつ。息子に人間としての正しい優しさを教えてやれなかったことだ。
母さんの死は早すぎたが、それは言い訳にならない。片親であっても両親がいなくとも、立派に育った子はたくさんいるのだから。
責任は私にある。
だからこそ残された力のすべてを注ぎ、このダンジョンを用意した。
お前に心を与え直すために。
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