A ticket

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「……ん?」 なんだろう。 文章からなんとも言えない違和感を感じる。いつも文面からですら感じる元気な凌くんがいない。 キザっぽい文章は相変わらずだし、過去に演じた作品を大切に思っている所も凌くんらしい。 でも、なんだろう……? コメントを書く欄をタップすると、まだアップされてから数分しか経っていないのに百件近いコメントがもう既に書かれていた。 凌くんが「誠ミュ」のセリフに触れたことを喜ぶコメントが多数で、同じように違和感を感じた人はまだいなさそうだった。 カツカツと画面を高速で叩いた。 ────斉藤さんが沢山悩んだ末に己の誠を見つけたように、凌くんもいつか誠が見つかるといいねぇ。今日もお疲れ様でした、早く悩みが解決するといいね。暖かくして寝るんだよ。 よし投稿、と。 「投稿しました」の文字を確認してすぐさまいやよしじゃねぇ!と激しくツッコミを入れる。 暖かくして寝るんだよって、おばあちゃん通り越してオカンじゃねぇか! 送ったメッセージを見つめながら深く息を吐く。
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