A ticket

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A ticket

「2.5次元化の神ビジュアル……!?」 ガヤガヤと賑わう居酒屋が一瞬しんと静まり返った。 目の前の彼はぽかんとした顔で、ズレ落ちたメガネのブリッジを押し上げる。 いくつもの視線がちらちら降りかかるのに気が付き、「あ」と我に返った。 「ぜ、全員揃ったので乾杯したいと思いまーす!」 隣の席に座っていた親友が信じられないほどの力で私を椅子にねじ伏せた。ストンと席に座る間も、目の前の彼をぽけぇと見つめる。 ほらグラス持って、と男性陣には見えない角度で凄まれる。 慌てて頼んでいたラムネチューハイのグラスを手に取った。 「凌も早く座れよ!」 メガネの彼も引きづられるようにして席に着いた。 ────カンパーイ! カチンとグラスが合わさって、店内の賑やかさが戻ってくる。 「ごめんなさーい!いきなりですけどちょっと御手洗に」 「あはは、もう〜? 行ってらっしゃい」 親友はうふふんと肩を竦めてポーチを持って立ち上がる。立ち上がると同時に私の左肩がぐいっと持ち上げられる。 「い、く、よ?」 「は、はい……」 半ば引きずられるようにして、テーブルを離れた。
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