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両手首を戒められたまま、胸へ伸ばされた信武の手を掴んだら、「外して欲しいか?」と問い掛けられた。
一瞬、それが何を意味しているのか分からなかった日和美だけれど、すぐにネクタイのことを言っているんだと気がついて。
コクコクとうなずいて、「私……信、武……にギュッてしたいの……」としどろもどろに告白したら、乳房をいじめるのをやめた信武が、すぐさま両手を解放してくれた。
「今から俺、お前に痛い思いをさせちまうと思う。なるべくそうならねぇよう努力はするつもりだけど……正直俺も限界だ。……丁寧にほぐしてやれるほど気持ちにゆとりがねぇーってぇのが実情だって、理解して欲しい」
膣内を掻き回していた指が内壁を擦りながら突如抜かれて、思わず「ひゃん」と悲鳴を上げてしまった日和美だ。
そんな日和美を見下ろしながら、中途半端に着ていたワイシャツをバサリと脱ぎ捨てた信武から「初めてなのに悪ぃーな」と申し訳なさそうに頬を撫でられて。
服を脱ぐ際一旦抜かれた指が、再度蜜口を割ってきて、まるでその言葉に呼応するみたいに今までよりもさらにグッと奥へ突き入れられた。
「んんっ」
実際、慣れない行為の連続で自分の方がしんどいはずなのに、日和美を攻めている信武も同じくらいどこか辛そうな顔をしているのは何故?と思ってしまった日和美だ。
(そういえば……)
日和美からは良く見えないけれど信武の下腹部だって、随分前からパンパンに大きくなって、張りつめていたのを思い出す。
日和美に見せつけるように布地越し、そこを擦り上げた信武の姿に、ただならぬ色気を感じてあわあわと唇を震わせたのを日和美は覚えている。
「し、のぶ……も限界?」
頬に触れる彼の手にそっと手のひらを重ねたら「ああ、かなり」と肯定されて。
膣内に埋められた指を、一旦極限まで引き抜かれてから、日和美のなかで温められた人差し指に寄り添うような形で、少し冷んやりした中指が追加された。
「あ、っ。待って。……ダメっ」
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