(20)事後のあれこれ

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「ああ。あん中で清佳(さやか)(たくみ)の手技で潮を吹いたってあったろ……。あれと一緒。お前が吹いたのはアポクリン腺液ってやつだ。――尿とは違う」  まさか自作に助けられるとは思っていなかった信武(しのぶ)は、そんな説明をしながら日和美(ひなみ)を浴室の床へそっと降ろしてやる。 「ひゃっ」  思いのほか床が冷たかったのだろう。  途端キュッと身体をすくませた日和美が、温もりを求めるみたいに信武にしがみ付いてきた。 (可愛すぎかっ)  なんて思いが溢れすぎると息子が再度(みなぎ)ってしまいそうでヤバイので、信武はそんな日和美をそっと抱き寄せてやりながら、湯張りスイッチを押す。  ついでにシャワーヘッドを壁の方へ向けてからシャワーコックをひねった。  足元を湯になる前の冷たい水が流れるからだろう。日和美のしがみ付きが一層強くなって。  柔らかな日和美の身体がキューッと肌に吸い付いてくるのを感じた信武は、内心(勘弁してくれ)と思ってしまった。 (また抱きたくなっちまうだろーがっ)  初心者相手、立て続けにそんなことをするのは鬼畜の所業だと思う。  だから理性を総動員して我慢しているというのに。  日和美の無自覚爆弾ぶりに、タジタジの信武だ。  湯気が立ち込め始めた浴室内で、日和美の下半身中心にシャワーを当てて優しく撫でさするように汚れを落としてやりながら、信武は心の中で仏説(ぶっせつ)阿弥陀経(あみだきょう)を唱え続けている。  とはいえ経文(きょうもん)の全てを知っているわけではないので、ラストの辺りに出る「南無阿弥陀仏(なまんだぶ)」の繰り返しに過ぎなかったのだが。
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