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もう何週間日和美を抱いてないだろう。
信武はキーボードを叩く手を止めて、ふと宙を仰いだ。
萌風もふとして執筆中の『あなたと二度目のフォーリンラブ~記憶喪失の彼と、恋のおさらい始めます!~』は、ヒロインの妃依が、ヒーローの伸剛に想いを伝えて……。
今まさに結ばれる!というところ。
本作は日和美と信武、二人の馴れ初めを元にした作品だ。
書くためにキャラクターたちの濡れ場を想像したら、どうあったって日和美とのことを思い出さずにはいられないではないか。
「あー、くそっ。日和美……っ!」
――抱きてぇ。
声にこそ出さなかったけれど、信武の頭の中は日和美を裸に引ん剝くことで一杯だ。
最初こそ手探りだったけれど、何度か組み敷いた今なら目を閉じていたって日和美のいいところが分かる。
日和美は上半身だと乳首同様、首筋――特に鎖骨のあたりが弱い。
ショートカットの日和美は、着衣の胸元をほんのちょっと寛げたら、髪の毛に邪魔されることなくデコルテ付近がむき出しになる。
えり元を無防備に開かせておいて、両手を戒めるみたいに手指を絡ませて鎖骨へ軽く吸い付けば、それだけでビクビクと身体を跳ねさせて全身をほんのり赤く染めるから。
信武はそこを責めまくって、日和美の柔肌をくまなく上気させたくてたまらない衝動に駆られるのだ。
わざと焦らすように鎖骨から首筋をたどって耳のすぐ下あたりまで、やんわり舌を這わせて何度も何度も刺激してやるだけで、触ってもいないのに胸の頂がツンと勃ち上がって容易に芯を持つ。
そんな素直な反応も、たまらなく可愛い。
自分では触れかたが分からないと言う日和美の秘所は、その言葉通り彼女自身の自慰が上半身のみに偏っているからだろう。
腰より上の刺激にとても弱い。
ちょっと胸を揉みしだいただけですぐさましっとりと膣口が潤って、信武を誘い込みたいみたいにヒクつくから。
溢れ出した愛液でクロッチ部がすぐにドロドロになる。
日和美はそれを「下着が冷たくなってイヤっ」と眉根を寄せるのだけれど、そんなことを言われたらもっともっと汚してやりたくなるのが男の性と言うものだ。
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