(4)下心はありません! 純粋な人助けです!(多分)

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「――え? あ、もしかして僕の記憶のことを心配して教えてくださいましたか? それなら御心配には及びません。自分のことは嫌になるぐらいあやふやですが、そういう一般常識みたいな部分は忘れてないみたいなので」  不破(ふわ)の言葉に、日和美(ひなみ)はほんのちょっとホッとする。  もし彼が知っていて当たり前みたいな部分まで忘れてしまっていたら、大きな赤ちゃんと一緒に暮らすような感じになってしまうと今更のように気が付いたからだ。 (あ、でも布団干して下さった時、不破さん布団バサミ要求なさったりしてたんだっけ)  そういうのを知っていた時点で、彼の言葉は本当だと胸を撫でおろしたと同時、そんなものを知っていた彼は案外の暮らしに精通していらっしゃる?とハッとした。 (不破さんってば一体何者なの!)  不破に言わせたら、「いや、僕は多分普通の庶民な気がするんですけどね?」という答えが返ってきそうなことを勝手に思いながら、日和美はちらちらと横目に不破を盗み見してしまう。
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