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実際には、日和美はただ不破の整い過ぎた寝顔を間近から舐めるように視姦――じゃなくて、凝視して生存確認をしようとしただけ。
何も後ろめたいことなどしていない!……はず、なのだ……ごにょごにょ。
不破が吐息を漏らしたことでビクッと肩を跳ねさせた日和美だったけれど、期せずして彼の生存確認は果たせたことになる。
(不破さん、重たい布団につぶされてなくて良かった)
ホッとしたのと同時、いきなりすぐそばから伸びてきた不破の手が、日和美の後頭部を捕まえてそのままグイッと頭を引き寄せられたから堪らない。
びっくり仰天して「ひきゃっ」と、ヒキガエルがつぶれたみたいな変な声が漏れてしまう。
「もぉ、今日も一緒に寝たいの? キミには別に寝床、ちゃんと準備してあるのに……。ルティは本当困った子だね」
よしよし、とそのまま後頭部を撫で撫でされて、頭を不破の胸元へ乗っけられて。
「ひゃわっ」
あっという間にもう一方の手でしっかり身体もホールドされて、不破の腕の中に閉じ込められてしまった。
(かっ、神様っ。これはっ。これは一体どういう状況なのですかーっ!?)
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