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日和美はフルフルと頭を振って気持ちを切り替えるとニッコリ笑って。
「なんとっ! わたくし、ティーンズラブコーナーとボーイズラブコーナーを任されることになりました!」
わーいと小声で付け加えてパチパチと手を叩いて見せたら、不破が驚いたように瞳を見開いた。
基本的には接客などはどこの部門担当などといったことなんて関係なく担わないといけないのだが、三つ葉書店学園町店では本の発注や売り場作り――ポップの作成や書架内のレイアウト――などには、社員ごとに大まかな割り当てジャンルが決められている。
よその書店や同系列の支店がどうなっているのかは下っ端の日和美には分からないけれど、少なくとも日和美の勤める学園町店はそう言うスタイルを採用しているらしい。
面接の際、志望動機を聞かれて萌風もふ先生への熱い思いを交えながら、『本の魅力を沢山のお客様にお伝えしたい!』『出版社様と……ひいてはそこに所属しておられる作家さんが読者の方々と出会うための橋渡しをしたい!』と熱弁を振るったのが良かったのか、「山中さんにはこちらのコーナーを担当して頂きますね」と店長に連れて行かれたのが、その棚だったのだ。
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