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予想もしていなかったワードが出てきた。
キョトンと目を丸くした綾乃に、咲子はますます調子づき始める。
「だってさ、私たちもう23だよ? こうして毎日仕事してるだけでもあっという間に時が過ぎてって、やがてはすぐアラサーになっちゃうんだからっ。あんただって、今はチヤホヤしてもらえてるけどさ……そのうち1匹もハチが寄ってこなくなっちゃったらどうすんの?」
妙な現実感が降りかかってくる気がした綾乃が返す言葉に迷っているうちに……咲子からのトドメの一言。
「どんな可憐な花だって、しおれちゃったらもう手遅れだよ」
綾乃の中で、一輪の可憐な花がしおれていった……。
「そ、そういう咲子はどうなのよっ?! 彼氏ともう1年になるんじゃないのぉ?!」
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