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僕はその日はじめて。
これまで同期というポジションに甘え、何の行動もしてこなかった自分を攻め立てた。
――翌日。
夢であってくれと願ったが、もちろん翌日の仕事にも彼女は姿を現さなかった。
寝不足の身体に鞭打って、ハードワークを何とかこなすが、
頭は彼女の事ばかり考えて、非常に効率が悪かったと思う。
何をしたかも覚えておらず、気づけば仕事を残務処理を終えた深夜、
自宅マンションまで車を走らせていた。
何度電話しても、つながらない。
一体何が…あったんだろうか……。
帰宅してからも、
どこにいても何をしていても息苦しく、部屋が出口のない迷路のように思え、
早々と入浴を済ませた僕は、タバコを片手に夜風に当たりに屋上へ出た。
長い、長い片思いがこんな呆気なく終わるなんて……
普段から表情の薄い僕だが、悲しみに埋め尽くされ、心すらも無になってしまいそうだ。
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