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怖くて震えそうになった。
会社の飲み会の帰りに、感じた不安。
いつか、壊れてしまうのではないかって。
それを目の当たりにすることで、
あの公園で弱音を吐いた彼女を、どうして抱きしめられなかったのだと。
激しく後悔した。
今更したところでタラレバの話しかもしれないけれど、
そうすれば、彼女が例え僕を選んでいなかったとしても。
ここまで大きく絶望を味わっていなかったかもしれないんじゃないかって。
先への希望や自信を少しでも与えられたんじゃないかって。
そう思わずにはいられないんだ。
「そんなことしても、解決しないよ」
懸命に声をかける中、彼女の気の緩んだ一瞬のスキをついて、
今にも消えてしまいそうな小さな手をグッと捕らえた。
「富丘くん……」
「どうしても死にたいって言うなら、僕の提案を聞いてからでも……遅くはないんじゃない?」
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