そして、今―─

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「ありがとう、真斗。あなたはたまに不安そうな顔をするけど、私はとっても幸せだよ。これからもずっとずっと、そばにいてね」 照れくさそうに長い髪を耳にかける彼女の左手の薬指には、プロポーズの数週間後に二人で買いに行った、ウェーブラインのダイヤの婚約指輪がキラキラ輝いていた。 恭しく、彼女の左手を取り、指輪の上から細い薬指にキスをする。 「わっ……」 「僕の方が幸せだよ」 「――っ……。様になり過ぎてて困る」 キザだと笑われてもいい。バカにされてもいい。 なのに、彼女はいつも赤くなって、愛らしい反応を返してくれる。 「何言ってるの。さぁ、そろそろ部屋に戻ろう、冷えてきた」 僕はそっと彼女の肩を抱き寄せ、エレベーターホールへと促す。 「真斗は自分がどのくらいカッコいいか、分かってないんだから。いつも女のコたちに格好いいってヒソヒソ言われてて――」
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