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今度こそ、外回りへと向かった。
この叶わぬ思いを抱いて、どのくらい時間が経過しただろう……？
入社してすぐだから、もう、十年……か。
僕は、いつだって溢れそうな思いを堪えてきた。
女性に執着することはもちろん、心を開くことだってなかなかしない。
そんな自分の並ならぬ執着心に、とてと驚いている。
でも、進展する事はない。
なぜなら。彼女には、ずっと交際している彼氏がいるから――。
確か、高校時代から付き合っているっていってたっけ。
僕が入る余地はない。
しかし――。
浮気をされた。
仕事をやめて転がり込んできた。
借金がある。
――相手はそんな過去ばかりを持つ、典型的の、いや、それ以上のバカ男。
もちろん……そんな男のために全力で尽くしてしまう彼女も……頭が良いとは言えない。
けれども、今の『同期』という関係を壊せず、奪うこともできない。
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