第3章 末路

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俺は為す術なく人事に従った。 倒産寸前の子会社…… そこが俺の墓場となった。 俺が左遷された後の豊倉商事はというと…… 小早川良介は社長を辞め会長に就任。 社長には大株主となった娘が就任した。 2人は役員を総入れ替えした挙句、従来の経営方針を一新させた。 ネット事業等の新規事業を積極的に取り入れ、更には敵対する会社を吸収し、豊倉商事を大きく飛躍させていった。 最初は会社を私物化させ、倒産寸前に追い込むと思っていた。 ところが放漫経営どころか会社は大きくなる一方だ。 良介はそれでいいのか…… いや、奴の復讐は娘を社長にさせる事で完成したのだ。 噂によると前社長は会社を株や権利を全てどこぞの馬の骨とも分からぬ娘に譲ったと聞かされ、精神が崩壊したという。 真面目になって後を継いでくれると思っていた息子が最後の最後に思い通りにいかなかった。 今では病室で寝たきりとなり、言葉も上手く発せられないのだとか。 これが復讐された者の末路だ。 そして次は俺の番だ。
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