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あまり女性を間近で見たことがないものだから、僕はつい胸元に注目してしまった。だから彼女が話しかけてきているのに、すぐに気付けなかったようだ。
「ごめん、何だって?」
「あなたは何年から来たの」
「へ?」
彼女はまた、「ぷう」と息をついた。
「今は西暦で言うと、3021年の12月24日なの」
背筋を波のような「ぞわっ」とした感覚が走った。
「あなた、時間跳躍をしたのよ」
とこからともなく、ラベンダーの香りが漂ってきた。
びっくらこ……いや、驚いたことに、僕は服も下着も身につけない生まれたままの姿で1000年の時を跳び越え、時間跳躍者になったのだ。
そして彼女に出会った。
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