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小学校前の吸血鬼
部活が長引いたせいで、とっくに日が暮れて、空はほとんど真っ暗になってしまった。昇降口が施錠されるギリギリのところで学校を出る。空は晴れている。宝石のように煌めく星と白銀色に輝く月が綺麗。九月中旬になってから、夜はだいぶ涼しくなった。昼はまだ暑いけど。先月の灼熱地獄っぷりとはえらい違い。
帰路に就くわたしは、やがて小学校の前に差し掛かる。わたしの母校、緑野国小学校だ。象牙色の校門は、今も変わっていない。
あの頃の友達や先生は、元気にしているのだろうか。わたしは校門の前で小学校時代に思いを馳せた。
ここで、嫌なことをふと思い出した。今日の昼休みにスマホで見たあの嫌なニュース。
市内のどこかの小学校のことなんだけど、生徒にわいせつ行為をはたらく教師がいて、不登校になっている子がいるとのこと。親は必死になって訴えているんだけど、学校側は否定しているとのこと。もし、本当のことだったら許せない!
ふと空を見上げると――
あっ! 流れ星!
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