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「パーソナルカード」は正式名称を「パーソナルIDカード」という。元は行政事務の完全IT化を目指して今世紀始めに導入された制度だ。
日本国に居住する者は全員、出生時又は入国時にIDを割り振られ、氏名、生年月日、性別、国籍または本籍地の基本情報とともに登録される。そしてそれらの情報が紐づけられたカードが個人に配布される。
カード自体には携帯の義務はないが、行政発行の免許証や許認可証、パスポートや納税記録などの情報もカードに組み込まれての使用となるため、実際問題として常時携帯しなければ日常が立ちゆかない。
最初期はカード型だったものがスマホ内蔵型のチップに進化してからは預金通帳やクレジットカードを皮切りに社員証や卒業証明書、ポイントカード、図書館の貸し出しカードといったものの類までありとあらゆる情報が組み込み可能となった。
日常の支払いや煩雑な行政手続きから解放され、スマホで音楽を聴きながらSNSで盛り上がった勢いで海外の友人のところに遊びに行ったり、海外の不動産ーーなんならゲームやアニメに登場した「聖地」を自宅にいるままで購入したりもできる。検挙歴やクレジットの信用情報等も全てデータとして載っているため、その気になれば海外での就職や国籍取得、亡命手続きまで自宅でできてしまう。
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