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最高の人生~またいつの日か~
民に寄り添い、賢王と謳われたシリウス国王陛下。
精力的に政を行う陛下の隣には、常にアデル妃の姿があった。
二人は慈善活動や民との交流も精力的に行い、開かれた王室の礎を築いたという。
歴代の王が複数の女性を囲う中、陛下が生涯愛したのはただお一人。
アデル妃だけだった。
二人の間には、やがて三人の子供が産まれた。
一人目は、王女。二人目と三人目は、王子だった。
王女は父親譲りの頭脳と、母親譲りの美貌を持つ才女。
長男は、卓越した頭脳を持つ学者肌。
王より研究者になることを願った。
次男は、剣を振るうことを得意とし、幼少期から騎士を目指した。
陛下が後継者に選んだのは、長女である王女殿下だった。
前例のない女王誕生に、国民はにわかに動揺したが……すぐさまそれは、杞憂だったと知る。
女王は父王の築いた穏やかな治世を守り、時代と共に柔軟に法制度を変えていった。
シリウス陛下と、それに続く女王の治世は、のちにこう呼ばれる。
――アストレアの黄金時代、と。
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