不要のスペア

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 まとめると、シリウス殿下はご令嬢にモテる。……が、あまり社交界や女性に興味が無く、仕事熱心な人。部下からの信頼が厚い。あと、敵をバッサバッサと斬り倒す氷の戦王子。男色の疑いあり。   (色々分かったせいで、ますます分からなくなった。……キャラ濃すぎない?)    屋敷に戻った私は、どっと疲れてしまいベッドに仰向けで倒れ込んだ。 「明日は少しゆっくりされてはいかがです?」と気遣うソニアに「そうするわ」と返して、私は目を閉じた。  眠りに落ちる直前、まぶたの裏にシリウスの顔が浮かんだ。    彼の姿を思い出すたび、あの水色の瞳を懐かしいと思ってしまう。   (シリウス……あなたは、いったい……。私はどうして、こんなに気持ちになるの……)  そこまで考えて、私の意識は闇に飲まれた。
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