蔵 cafe

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蔵 cafe

04deb2a0-ea93-42bc-936b-aae83df0f802ポタッ。ポタッ。8時間位かけて水出しコーヒーが静かに落ちている。 今月の新作デザートを考えなくっちゃ。料理が得意じゃないのにカフェや 雑貨の店がやりたくって、いや自分の居場所が欲しかっただけ。 ここの場所に決める迄、10年程の月日がかかった。 都心で働いた後に、ふたたび生まれたこの町に戻ってきた。 都心では、地下鉄の階段を上ると街の灯りが煌々と輝いている。 疲れた体もフラッと立ち寄ったコンビニのスイーツでこの日の 何もかもをご和算にしてくれる。 この町は、街灯が少ない。暗い。同じ世代が購入した建売住宅に 住む住人達は一斉に足並みを揃えて高齢と化した。 襲いかかってくる高齢者達。 まだまだ、働き盛りなのに体の重さが漬け物の重し石の様に 襲いかかってくる。 この町をなんとか、いやここの場所だけでも。 開店前の準備中はどうでも良い事をあれこれ考えている。 頭の休む暇もなく、よく疲れないものだ可哀そう。と思いながらも くだらない事を日々考え妄想族となっている。 唯一、最近先輩が仕事の合間に流してたブルーノマーズを すっかり気に入り耳に心地よい。 「Leave the Door Open」 さあ、扉を開けよう!
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