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指先だけで平沢をいたぶりながら、木暮はゆっくりと話し始めた。
「ねえ。裕ちゃんと俺が初めてした時のこと、知ってる?」
視線は平沢からはずさないが、岡田に向けた言葉のようだ。
「いや、特には。聞いていない」
「裕ちゃんね。最初、俺のことレイプしたんだよ」
え?……ちらりと平沢を見てみたが、もはや話どころではないらしく、目をつぶり、顔をしかめて呻いている。
「こんな大人しそうな人がさ、薬まで使って来ると思わなくて。つい、油断しちゃったんだよね」
悶える平沢を、艶っぽい目でうっとりと眺める。
「気が付いたら、逃げられない程度に上手に両手がしばってあって。口にもちゃんと轡入れてさ。頑張って計画練ったんだろうね。そんで、頭もガンガンするしわけわかんない中で、無理やりやられたの。しかも裕ちゃん、ぜんっぜん慣れてなかったから、とにかく痛くてね」
平沢が、この平沢が。本当だろうか。いやしかし、本人を目の前にして嘘をつくこともあるまい。そもそも俺は狂ってた、と平沢自身が言っていたのはこのことか。
「やられながら思ったんだよね。俺いつか絶対、こいつのこと、殺してやる、って」
一瞬、平沢の目が開いた。この言葉は平沢にとって初耳らしかった。
木暮は魔物のように残酷な目になり薄ら笑いを浮かべている。シャツの袖を開きながら、右手をさらに平沢の腕の奥まで進めた。平沢の口がゆるく溶け半開きになったのは、混乱なのか、快楽か。
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