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岡田は結局、一時間以上を経てから受付へ降りた。実際に仕事が終わらなかったから仕方がない。それでも、高校生の不躾な来訪には親切すぎるほど急いだつもりだ。
受付はとっくに終了し、カウンターの電気も消えている。あいつまだその辺にいるのかな、いなきゃいいが、と見るとホールの向こうの長いベンチで数人が歓談していた。女性が三人……いや、真ん中のは髪は長いが身体がデカい、男のようだ。となれば、あれだ。
なんだ、一人じゃなかったのか。連れの人まで待たせてしまい申し訳なかった、と少し慌てた。
近づいていくと、まず、木暮がこちらに気づいた。
「おじさ~ん、久しぶり~」
と言いながら可愛らしく右手を振る。 おじさんってか、この野郎。
今日のこいつはゆるくウエーブした長髪が普通に格好よく、眼鏡をかけてはいるが瓶底ではない、黒いフレームのよくあるタイプだ。眼鏡越しに、毒気にあたらずに済む程度に妖艶な瞳が見える。ちっ、モテそうなやつだ。
そしてその両隣の女性とはどこかで会ったことがあるな。……と、思ったら、受付の三好さんと四方山さんだった。私服なので遠目では気づかなかったのだ。
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