定食

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「ねえ隆ちゃん、この前僕にさ、アドバイスしてたじゃん」  アドバイス? 何したっけ……って、あれか、あの最後のこっぱずかしい説教か。岡田は引き続きだんまりを決め込んだ。 「僕、ちゃんと言う通りにしてきたよ」  よくわからんが意外に素直か? 自分のことボクなんて言ってるし。 「JKと、してみたよっ」  岡田は歩みを止めた。 「……なんの話だ?」 「隆ちゃんがさ、高校生の男か女と寝ろって言ったじゃん。じゃあ、よくある感じで女のほうにしようかな、って」  んー。何か、俺が言いたかったことと違っている……はずだ。混乱した頭でまた歩き始め、目当ての居酒屋に着いたのでとりあえずそのまま引き戸を開けた。 「初めての子と寝るの初めてだったから、気を遣ったなぁ~!」  おやじだらけの居酒屋には不似合いな若い声が突如として店内に響き、すし詰めの客たちの半分ほどの視線が集まる。  岡田は反射的に木暮を押し戻すと、外へ出てガララと引き戸を閉めた。 「どうしたの?」  木暮は可愛く首をかしげている。
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