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「同じ部で何人もに手を出したら泥沼だぞ?」
「うん、僕もまあ、高校生はとりあえず一人でいいかなって。いいよね?」
俺に聞くな。……ああ、俺の指示ってことになってんだっけ。内心妙に納得しながら、とられる前に、と唐揚げをつまむ。
「やっぱりさ、痛かったって」
「あ?」
「結構時間かけて広げたんだけどなあ。でも、いざ挿れたら、やっぱり。僕、痛くするの好きじゃないんだ」
岡田の箸から唐揚げがぽとりと落ちた。
皿の縁から外れて卓上に転がり、流れるような動作でつまんだ木暮が口に入れる。
「あ、それ……」
「それね、さっきの話の続き。気を遣ったって話」
「ちがっ……くそっ。……そんで相手、嫌だってか」
「まさか。嬉しいってさ。痛いのに。やっぱやだな、初めての子は」
「ふうん。フツーは、初めての女とやったら喜ぶもんだけどなあ」
「なんで?」
「そりゃあれだろ、他の男の手がついてない真っ白で清らかな身体を、俺色に染めてやった、みたいな。女にしてやった、みたいな」
内心照れながら言う岡田に、木暮は心底幻滅した表情を浮かべた。
「それって隆ちゃんの実際の感想?」
「いや、まあ、実際どうこうじゃないけど、俺だけのものになった感じはする、はず」
「実際の経験はない、って正直に言っちゃうところが隆ちゃんだよねえ。……僕はさ、僕だけのものにしたいってのがないから」
「独占欲ゼロかよ。その子のこと、本当に好きなのか?」
「そりゃね。でも特別じゃないよ。そもそもが同級生と寝るってミッションありきだし。ま、彼女がちゃんと気持ちよくなるまでは付き合うよ」
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