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「お前……その程度の感覚でやんのはすげえ危険だぞ。フツー、初めての男ってのは女にとって特別な男なんだ。相手はお前に本気なんだぞ」
「ちゃんと条件、先に言ったよ。本気で好きにならないでねって。納得ずくだから」
うーん、木暮が完全におかしなヤツなのは言わずもがなだが、相手の女子も俺の理解を超えている。近頃の若者ってそういうもん?
ぼんやり考えるうちに店員が木暮にだけミニアイスを置いて行った。デザートまでつけてたっけ。つくづくずうずうしいヤツだ。
「隆ちゃんってさ、フツーこうだぞってよく言うよね。そういうのどこで知るの? そりゃ年の功だろうけど、どんなタイミング?」
「ん? どこって、そりゃ生きてりゃ知るだろ。友だちと話すとか、一般の本でもドラマでも、それかフツーにAVでもエロ漫画でも」
「……エロ漫画」
「お前、高校生なのにエロ漫画も読まねえの。コンビニでもネットでもあるだろが。実際にはな、そんなもんの中身はウソだらけだ。だけど何があるかっていうと、こうならいいなあっていう勝手な妄想だ。初物とやりてえなあ~とかの、ある程度の数の男に共通する妄想。実写より作りやすいしな。そりゃもう、いろんな嗜好がてんこ盛りだ」
「ふうん」
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