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そして週が明け、今日で三日目だ。
平沢は相手の写真を持っていなかったので、情報だけで捕まえるしかない。
神楽高校の二年生、木暮 凛。180センチを超える長身で、どちらかというと細身。
「とにかく、美しいんだ。長めの髪を後ろでまとめて、鼻筋がスッとしていて、すごく、すごくきれいな目をしている。本当に美しい生き物なんだ」
……美しい。
個人の感覚でしかないその言葉で人間を判別しろなんて、無茶な話だ。しかもただの恋する欲目ってやつの可能性も高い。
「わかった。とにかく、背が高くて髪をまとめてるやつに、あんた木暮凛ですか、って訊けばいいだろ。学年や名前に間違いはないんだな」
「が、学生証を見たことがあるんだ。二月に一年だったから、今は二年のはずだ」
一年生ってマジか、マジ犯罪確定。同性ならいいのか? いやダメだろ。
内心さらに驚きながら、どこで知り合った、と問いただした頃には、平沢はもう何も答えられないくらいに憔悴していた。まあ、どこでもいい。本人に聞いてもいい。とにかく、神楽高校だ。
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