小学校 低学年編

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 小学校は、家から徒歩5分かからない所。低学年の子なら10分あればゆっくり歩いても余裕で着くような場所だった。  そのため、風向きによってはチャイムの音までもが聴こえた。あまりにも好立地というべきかもしれない。  ちなみにこの後、中学、高校と進学するにつれて家から遠くなっていくがそれは別の話。  まぁ、この辺りは特段書くことも無い……という言葉は語弊があるかもしれない。  実は、この辺りの記憶が異様に曖昧なのだ。勉強はさっぱりのくせに、いざ人名となると記憶力にはかなり定評のある私が……先生達の名前を一部しか覚えていない。  なんとか担任の名前は出てくるが……それも名字だけ。もう一度言うが、勉強ならともかく人の名前で私がこうなることはほぼ無いのだ。  それに、どんな勉強をしていたかとかは一部覚えていても……実は、この頃どうやって家で暮らしていたかの記憶がほとんど無い。  間違いなくアパートを出て、一軒家に引っ越した後だ。それは分かる。小学校に入学する直前に引っ越したからそれは覚えている。  でも、私はあの家で……この低学年の頃、どうやって過ごしていたのだろう。母とどうやって接していたのだろう。  どれほど考えても、家のことを中心にこの時期の記憶は穴が空いたように抜け落ちている部分が多い。  それにその一部の記憶も「誰かから聞いた」という記憶なのだ。自分が経験したことではない。  そんなことを周りに言ったらさすがに引かれるため、今までは自分の中で作り上げてきた記憶を語ってきた。  だが、ここでありのままを話すとすれば「覚えていない」のだ。  これにはここ最近になって分かったことがあるため、次のページで綴らせてもらう。
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