30人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
大大吉、今年のあなたの運勢は生涯一番と言って良いでしょう。物事は思い描くようにトントン拍子に進み、欲しいものはすべて手に入れることができます。長年の悩みも霧散するでしょう。願ったことは形になり、今までの不運は払拭されます。
そして……。
「……そして、必ず願い事を叶える遣いがあなたの元を訪れるでしょう!? ……なにこれ? 遣い?」
「そう、遣い。それがおれ。このオプション(?)はジャンケンに負けた神様が派遣される仕組みなのさ〜。去年は商売繁盛の恵比寿爺、一昨年は貧乏神のびんちゃん、だったかな〜。当たった人間は霊感も何もなかったから、知らないうちに仕事が終わってたみたいだけど。商売繁盛の恵比寿爺が当たった人間は一攫千金を手に入れ、起業。それから投資して、大富豪。人生が180度変わってたなぁ。貧乏神が当たった人は遺産相続で揉めてたから、貧乏になって家が平和になってたよ……、それぞれめでたしめでたしっつーことで、今年は……」
禍々しい圧がより濃くなり、男は愉快そうに笑った。
「今年は死神のおれっすー。大当たりの大大吉、おめっとー」
いや、軽っ。
新手の詐欺?
……このおみくじ、クーリングオフできませんかね。
最初のコメントを投稿しよう!