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4.ヒートが終わったら幼馴染みが優しくなりました
ヒートが終わって正気になって、この一週間を振り返り青くなった。
翔吾のこと俺、なんて扱いしちゃったんだよ……めちゃくちゃ怒つてるよねきっと……凡人Ωの俺があんなことやこんなことをねだって毎晩付き合わせて……
うんうん唸りながら頭を抱えていたが、休みは昨日で終わりで今日から登校しなきゃならない。
なるべく一緒にならないように、ギリギリ遅刻スレスレで家を出た。そしたら玄関前にいるはずのない人物を見つけて俺は腰を抜かしかけた。
「わわ!なんで翔吾まだいんの!?」
「やっと来たか、遅刻するぞ。大丈夫か?もしかしてどこか痛むのか?休むか?」
俺の腰に手を当てて心配そうに顔を覗き込んでくる。
ーーーあれ?怒ってない?
不機嫌なときは翔吾の方からこんなに近寄って来ないからな。
「だ、大丈夫……」
「ごめんな毎晩無理させて。がっついて悪かったよ。もうあんなにしないから……」
「え?」
「童貞かよってくらいフェロモンに当てられてみっともなかったよな。幻滅しただろ?こんな筈じゃなかったんだ」
なんか色々言い訳してるけど、俺が怒ってると思ってるのかな?
「翔吾、俺嫌じゃなかったしすごい気持ち良かったよ。こっちこそ……色々させてごめんね」
「え?そんなのいいんだよ。俺が責任取んないでどうすんだよ。何かあったら遠慮せず俺に言えよ」
なんだ?どうしたんだ?
「なんか……優しいね翔吾」
いや、今までも優しかったけど。
「当たり前だろう。好きな奴大事にしたいと思うのは」
「あ……」
好きって言われたの、本当なんだ。
俺のフェロモンに当てられてその場で口に出てきた言葉と思ってたけど……
嬉しい。
「俺も……翔吾のこと好きだから何でも言ってね」
「何でもってなんだ」
「わかんないけど」
「じゃあ手ぇ繋ごうぜ」
「はい……」
俺は素直に手を出した。
翔吾の温かくて大きな手が俺の手を包んだ。
END
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Sっ気のある攻めと従順タイプの受けが好きなので書いたショートショートでした。
この後攻め視点で、ほんとは攻めくんがどう思ってたかの答え合わせがありますのでよければ続きもご覧下さい♪
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