★蜜月にさざめく

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 俺自身の声とは思えないほど爛れた喘ぎが絞り出る。何回も抱かれたからか、俺の体が奴に合うよう作り変えられちまったみたいに、柔らかく広がった穴が奴の棒を優しく包み込んでいた。俺の弱点は既に知りつくされている。間髪入れずに激しく奥を突かれて、尻尾の付け根を揉み解された。  あっ、あっ、という声は悲しいかな、どこまでも艶っぽくも可愛らしくもない。それでも俺は赤く濡れたあいつの目を見ながら、誘うように喘ぎ続ける。暖炉の炎かそれとも興奮か、その白い頬はほんのり赤く上気していた。  ピンと立って張りつめた怒張と垂れ下がった袋を揉み潰されて、内側の柔らかい部分を掻きまわされる。既に壊れそうな程の気持ちよさに襲われているのに、もっとそれ以上を求めて体が疼く。でもこいつが、俺を1番高いとこまで連れて行ってくれる。足が浮く。腰が浮きたつ。快感がぎゅっと引き絞られて、上へ上へと上っていって……。  あぁ、そうだ、この感覚だ、くる――――。  呻きと共に体が大きく震え、股座から熱い絶頂が迸った。白い体液があいつの腹に垂れている。 「今日は随分早いな。持て余していたのか? 淫らな猫だ」  よがり乱れる俺とは裏腹に、あいつは涼しい笑みだ。あぁ、ムカつく。あんたもそのはずなのに。 「へっ、よく、言う……」  息を吸い直す。まだ緩んでいる全身に何とか力を籠め、飢えに任せて腰をベッドから剥がし、全体重をかけてあいつを押し倒した。 「んっ……!」  体勢が変わったせいであいつのがより深くに突き刺さり、抑えきれない呻きが漏れた。一瞬体が痙攣して、先端からドロリとさっきの残りが零れ出る。……すげぇいい感覚。  でもこれからこれを味わうのは俺だけじゃない。 「そのおすまし顔、いつまで保っていられるか見物だぜ……!」  跨って腰を振れば、あいつの綺麗な顔が歪んで、欲望に中てられた満足げな溜息が漏れた。  くわえ込んだ棒を前後に強く、あいつの理性ごと突き揺らす。奴は感じた表情を見せまいと顔を背けたが、俺は容赦なく奴の上にドスンと尻を打ちつけてやった。ぐっ、という呻き。俺の中であいつのが更に太く大きくなる。  ずっとあんたの思い通りなんてつまんねぇだろ? ゲームは平等にしなくちゃあ……今度はこっちの番だ!  激しく腰を振る。あいつの手が赤く色づいた頬を隠した。股の下から伝わってくる震え。終わりが近づく感覚と、中で痙攣するあいつの屹立。ほら、いけって。ほら……!
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