第十四章 二度目の業務提携

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 そして、央司(おうじ)さんは、次に私を見てきた。  「婚約してたのに、裏切って本当にすみませんでした。  簡単に(ゆる)してもらえるとは思ってませんけど、これからは水野のために頑張ることで、謝罪の気持ちにさせてください。  どうしても無理なら仕方ないですけど、これからは、僕と勝大(まさひろ)とも行き来をしてもらえたら……義姉(ねえ)さん」  彼の口から出た、ねえさん、という言葉に驚いた。  婚約破棄の時、央司さんは私を名前で呼んできた。きっと復縁を(あきら)めていなかったのだろう。  央司さんの過ちは、簡単に赦せるような行動ではない。でも、英彦さんの弟ということは、無関係な男性にはならない。  水野珈琲(コーヒー)が変わっていくように、私と央司さんの立場も変わった。  すぐには割り切れないけれど、少しずつ関係を修復していく時期になったのだろう。  「……分かりました。私も甥は可愛いですから、その父親とも少しずつ行き来をするようにします。  子供たちは喜ぶでしょうね。従兄(いとこ)ができるんですから」
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