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不機嫌な表情を隠さない美那に父は溜息をついたけれど、認めるように頷いた。
見た妹は立ち上がると、私と父に睨むような視線を向けながら出ていった。
妹が出ていくと、二人の間に沈黙が落ちたけれど、いつまでも無言ではいられない。
「……お父さま、高桑さんたちとお会いするのは、いつですか?」
会社での私の立場はまだまだ弱い。経営上の重要なことを話す席に、私はいまだに呼ばれない。
そして、所属する営業企画部は、社内では軽く見られている。新しい企画を出しても、営業部の人たちにいつも否定される。
それが、長期的な売上低下の原因なのに、伝統を持ちだして拒否する人たちに苦労させられている。
でも、私が社長に就けば、彼らも伝統だけにこだわっていられないはず。
これからは、女性の力をもっと活用したい。そのためには早い結婚は必要だ。
後継条件があるから、社長は既婚者であることが求められる。いつかしないとならないなら、今でも大丈夫と思えた。
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