第二章 波乱の顔合わせ

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 ***  美那の機嫌が直らないまま、顔合わせの日が来てしまった。  行きたくないと態度で示しても、母が賛成しているから、美那に拒否の権利はない。  もし拒んだら、家を出されるだろう。  親の命令を無視する子供は勝手に生きろ、ということ。自由になるけれど、金銭的な恩恵もなくなるから、美那は大学に通うこともできなくなる。  でも、水野の社長になれないなら、大学に通う必要はないと考えそうだ。美那が選ぶことだから、正直私には関係ない。  お見合いでないので、会うということは結婚に進むということ。両家の親も同席するから、正式な形での顔合わせになる。  これで、本当に後戻りはできない。  願うのは、央司(おうじ)さんが写真どおり優しい人であること。  彼も政略結婚に対する覚悟はあると思うから、愛情はゆっくり育てていけばいい。  そして、義理の兄弟にもなる英彦さんと仲良くなれたら……
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