第二章 波乱の顔合わせ

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 ***  両家の顔合わせは、高桑邸で行われることになった。  今の時代では、少し珍しいと思う。  友人で結婚している人に聞いたけれど、夫になる人の自宅に家族で訪問したのは、結納の時が初めてだと。  家族同士の顔合わせなら、ホテルで済ませたと教えてくれた。  でも、今回は仕方ない。  この結婚は正式発表までは、完全に伏せることになっている。  両家の顔合わせが済んで、デートや挙式の打ち合わせにをするようになれば、知られても仕方ないと思っている。  でも、今回の伯母たちの動きを思うと、ある程度の形になるまでは明かせない。  だから、高桑邸への訪問には、三台の車を出している。両親、美那、そして私はそれぞれ別の車で向かうことになった。
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