第二章 波乱の顔合わせ

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 不機嫌な美那と一緒でないと思うと、ホッとする。  時間差をつけて高桑邸に入る。  私が一番先に着いたので、車を降りて三人を待った。さすがに、先に入るわけにはいかない。  それほど待たないで、二台の車が少しずつ時間を置いて入ってきた。  まず、両親。最後に美那が車から降りてきた。  妹の様子を(うかが)うと、唇を噛みながら、あからさまに不満という表情だ。  これなら、英彦さんは苦労すると思う。義理の兄になるだけでなく、弟にもなる男性に同情が湧いた。  でも、母はまったく見ていないようで、気づかう表情で美那の背をそっと押しながら一番最初に歩きだした。  放置された形になった私と父は、顔を見あわせて苦笑すると、後ろからついていった。
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