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自分の夫になる人が決定したと知ると、頭が真っ白になった。黙った私を見て、美那が意地悪そうに笑った。
「へぇ、お姉さま、高桑の息子と結婚するの。おめでとう。
どんな人か知らないけど、良かったじゃない」
言葉は祝福だけれど、表情は正反対だ。
この会社の後継者になる資格は、普通のようで少し違う。
美那には基本的に資格はないけれど、私よりも先に条件を満たせば、一気に状況は変わる。美那が逆転で後継社長になる。
頭がいいのは確かだから、後継者に妹が就いても問題はないのかもしれないけれど、母と似た自己中心的な性格の美那に、会社経営は無理と思っている。
だから、私が婿を取って早く結婚するのは重要だ。
結婚して、そして、なんとか……と考える私の耳に、父の言葉が届いた。
「美那、おまえの結婚も同時に決まった。相手は英彦さんだ」
父から言われるまでは、私を意地悪そうに見ていたのに、聞いた瞬間、美那は衝撃を受けたようで表情が強張った。
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