17 years old

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「え、」 翌日バイトに入れば店長が強張った表情でまた商品が多く減っていると話だした。 店長と息子さんは事務所で防犯カメラを確認したりし始めてしまい、おじさんと私がレジに入る。 「いらっしゃいませ、あ、」 「おつかれー、トイレ貸してー」 佐藤さんがそう言って入ってきた。 「はい、どうぞ」 「あれ?珍しい組み合わせだね」 レジに入っている私とおじさんを指差す。 「ああ、また大量に万引きされたみたいでね、店長が来ていて息子さんと防犯カメラの確認し始めたんだよ」 おじさんが困ったもんだねーと説明すれば、 「へえ…、」 佐藤さんは事務所をチラッと見ていた。 トイレを貸して、と言った佐藤さんは忘れ物があると言って事務所に入っていった。 暫くすると店長と息子さん、そして佐藤さんの3人が連なって出てきた。 「じゃあ佐藤さんは帰っていいから、」 息子さんが佐藤さんを店の外に送り出す。 それを見ていたおじさんが、 「…なんだかおかしな空気だね、もしかして…万引きしたのって…、」 小さな声でそう言いながら店を出て行く佐藤さんと息子さんを目で追っていた。 …え、まさか…。 おじさんの視線の先を追いかけるようにしていた私は、 「ちょっといい?」 いきなり腕を掴まれて飛び上がるように驚いた。 「っつ、」 「何をそんなに怯えているんだ」 「え、怯える…?」 店長はやけに強張った表情で、掴んでいる私の腕をグイッと強く引きながら事務所に向かって歩き出す。 え、何? 事務所に入れば小さなテーブルの上にチョコと缶チューハイ1本が置いてある。 「正直に言って」 「…え?」 「これ、キミのロッカーに入っていたけど」 「え?」 そう言って店長は私のロッカーを開く。 「ここに入っていた。これは会計がすんでる?すんでいるならレシート見せて、ないならいつ買ったか言って、ジャーナルで探すから」 ドキン、と心臓が大きくなった。 だって…これって私が疑われているって事…だよね? 「…待ってください、それは私のじゃないです」 「…キミのロッカーに入っていたんだが、買っていないのか?…会計の済んでいない商品を持ち込んではいけない事くらい知っているだろう、それとも知っていてわざとなのか?」 「え、そんなわけ、」 「キミのロッカーに置いて良いものじゃないとわかっているだろう?キミが盗っていたのか」 「そんな!」 「もうハッキリと言ってくれないか、これ以上嘘をつかれると、」 「待って、待ってください!私はそんなの知らないんです」 「…キミのロッカーに入っていたんだぞ、それでも嘘をつくのか」 「嘘って、そもそもそのロッカーは昼間のパートさんと共用ですよね?私は学校のリュックだからロッカーに入らないんで隅っこに置いてます」 そう言って自分のリュックを指差せば、 「…昼間のパートさんで今はそのロッカー使っている人は居ないよ」 「え?」 「先月で辞めたから昼間は誰も使っていない。今はキミだけだ」 「そ…うだとしても、私は使っていないんです」 「ロッカーに荷物を入れていなくても、こうして商品が入っているのはおかしいだろう、しかもチョコは封が切られているんだ、食べたって事だろう?」 店長はジッと私を見ている。
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