第一章

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 歌舞伎町にある喫茶店から、赤坂にある築三十年のアパートに帰宅すると、大家の平沢が待ち構えていた。彼女はことりの三倍はあろうかという立派な身体を揺らし、こう言った。 「小鳥遊さん。最近、変な人たちがアパートに来るって、住民から苦情がきてるのよ」 「はあ」 「はあ、じゃないでしょ。これ以上苦情が集まるとねえ、出てってもらうしかないのよね」 「すみません」
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