12 喰らう

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 イミル……それがあの悪魔の名前なら、呪っておけばよかったな。まあ、昨日は知らなかったし、仕方ないけれど。 「今夜はギャラリーがいるんだね」  ラロが、僕と契約しているイミルと呼ばれる悪魔に話しかける。 「そりゃそうだろ。ラロと兄ちゃん、どっちも俺の契約者だからな」  コイツがいる理由は分からんがな、とファゴと名乗った悪魔を指差す。 「それよりも、早めに始めた方がいいんじゃないか。兄ちゃんの鼻血も止まらねぇみたいだしな」  そう、僕はすでに鼻血を垂らしており、両目は真っ赤に充血している。平静を装ってはいるが、怠さと嘔気(おうき)も強く、なかなかにシビアな状況だ。 「確かにそうだね、あまり調子が良くはなさそうだ。では、早速始めようか。と言っても、如月君が私に告知するだけだろうが」    ラロはそう言って、僕の真正面に立ち、僕の言葉を待っているように見える。 「念のためはっきりさせておくが、この前伝えた私の本名に嘘はないよ」  それは最初から疑ってなどいない。ラロに悪魔たちを倒していった謎の力があるように、僕もを手に入れてここに立っているんだ。  そして、僕はラロの能力を予想できている。その攻略法もね。
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