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イミル……それがあの悪魔の名前なら、呪っておけばよかったな。まあ、昨日は知らなかったし、仕方ないけれど。
「今夜はギャラリーがいるんだね」
ラロが、僕と契約しているイミルと呼ばれる悪魔に話しかける。
「そりゃそうだろ。ラロと兄ちゃん、どっちも俺の契約者だからな」
コイツがいる理由は分からんがな、とファゴと名乗った悪魔を指差す。
「それよりも、早めに始めた方がいいんじゃないか。兄ちゃんの鼻血も止まらねぇみたいだしな」
そう、僕はすでに鼻血を垂らしており、両目は真っ赤に充血している。平静を装ってはいるが、怠さと嘔気も強く、なかなかにシビアな状況だ。
「確かにそうだね、あまり調子が良くはなさそうだ。では、早速始めようか。と言っても、如月君が私に告知するだけだろうが」
ラロはそう言って、僕の真正面に立ち、僕の言葉を待っているように見える。
「念のためはっきりさせておくが、この前伝えた私の本名に嘘はないよ」
それは最初から疑ってなどいない。ラロに悪魔たちを倒していった謎の力があるように、僕も新たな力を手に入れてここに立っているんだ。
そして、僕はラロの能力を予想できている。その攻略法もね。
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