オリオンに啼く

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「どうせ、お前も一緒に行くんだろう」 父は微笑み、折尾の物を私に手渡す。 「言い出したら聞かない事は私が一番良くわかっている。私の娘だからな」 父は私の肩を叩いた。 「とにかく急げ」 父はそう言って病室を出て行った。 「お前にこれ以上迷惑を掛ける訳にはいかない」 折尾は左足を引き摺りながら歩き出す。 私はその折尾の腕を取った。 「馬鹿言わないで、そんな身体で何が出来るのよ」 私はそのまま折尾に肩を貸して病室を出た。
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