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「俺は名前が折尾だから、ガキの頃オリオンって呼ばれてた。だからオリオン座くらいは知ってないと恥ずかしいだろ」
折尾は痛む腹を押さえて、色の無い顔で微笑んだ。
岬の向こうに父の診療所が見える。
そこに黒塗りの車が入って行くのが見えた。
「何処に向かうつもりだ…」
折尾は息を吐きながら言った。
私はカーナビから聞こえるオリオン・サンの歌声を聴きながら、
「あなたの言う星の降り積もる海が見たいわ…」
と言い、アクセルを踏み込んだ。
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