第二章

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第二章

 関東地方南部を襲った南岸低気圧。当初の予報では、積雪5cmの予報であった。龍太の住むこの千葉市さつき台は、台地でありながら内陸であり高度が想ったよりあるのだ。  標高30mは越えているであろうから、気象庁の予報なんて当てにならないと初めから高をくくっていた。  どうせ15㎝は積もるだろう。そうすると大変なことになるぞ。千葉市消防局の救急出動が目に見えて多くなることなんて、簡単に予想がついた。   さつき台は台地なのだ。そのうえ・・・  今、団地という高度経済成長期以降の、第1次ベビーブーマーの受け皿になっていた住み家はどこもかしこも高齢化が進み、70歳以上のシニアの住む割合が6割から7割を超えてきた。  どこもかしこもシニアの方が多くなり、1970年代、1980年代の、子供が外で缶蹴りだ、マンホールふみだ、野球だ、メンコだ、そんな遊びをて、自治会の力が強くみんなで協力してお祭りに若い世代が力を入れた時代は、とうの昔、Once upon a timeの話になってしまった。    今は令和の時代。子供はお受験に走り、はたまた親ガチャなどと言って、逆に生活に困窮する若い世代、ヤングケアラーが人口の5%を占めるなどという、とんでもない時代になってしまったのだ。  これは、構造的な問題で高齢化が日本はかなり進んでしまったことに要因する。 団地、特に都市部にある団地はその縮図のような字そのままで、どこもかしこもみんな高齢化で困っている地域が多数あった。 特に、1970年代に、第1次ベビーブーマーが地方から移住してきた、埼玉県や千葉県都心部団地に高齢化は深刻で、シニアの方の割合が異常に高いのだ。  シニアの方々が元気にやられていて、下の世代に迷惑をかけられないと必死になって健康づくりをし、公園や道路で散歩、ウォーキングをして体調維持する光景なんて、当たり前の世の中になった。 おじいちゃんたちやおばあちゃんたちが、ピンピンコロリが目標ですなどという、何とも切迫した事態が、高齢者先進国日本の、世界的に類例のない未体験ゾーンに突入しているのが、昨今の現状である。 逆に、なおかつ、若い世代も「大人は何にもしてくれない!!」 と、自分たちの将来の未来予想図が描けない、まさに、受難の世代であることは、必ず明記しなければならない、大変な大問題である。
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