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ツーコールで美奈が出た。『もしもし?』
「あ、美奈? 困ったことがあって。協力して欲しいの」
『どうしたの?』
簡単に経緯を説明した。敦彦の素行調査をしていたら帰宅が遅くなってしまい、珍しく先に帰宅していた彼に何処へ行ったと聞かれてしまい、咄嗟に美奈と食事へ行ったと言ってしまった事を告げた。勿論、雄介と二人で佐伯事務所へ行った事は喋っていない。今は風呂に入っているから、電話も大丈夫という事は告げた。
「――という訳で、アリバイ協力をお願いしたいの」
『いいよ、力になる。もし敦彦に聞かれたら、話合わせるから!』
「恩に着るわ」
『何でも協力するから、遠慮なく言ってね! えー、女探偵はこういう時、どうするかしら。噓だとバレないように、きちんと辻褄を合わせるものなのよ。考えるから、少し待ってね』
思いの外ノリノリな様子だ。電話口で美奈がぶつぶつ言って唸り、すぐにまとめた考えを言ってくれた。
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