【コミカライズ原作】 悪女【完結】

Diary７：真偽

　
『映見のパートは、何時も四時終わりでしょ。私が仕事五時終わりだから、五時半に駅前で待ち合わせした、という事にしよう。馴染の店はアリバイ確認される可能性があるから、やっかいね。場所は････そうだ！　新しく駅前に出来たイタリアンレストランに行った事にしよう。あ、映見、お酒飲んでないでしょ？　家にビールか何かある？』

「ええ、あるわ」

　女探偵は、よく矢次に思いつくものだと感心する。

『何でもいいからすぐにアルコールを軽く飲んで、敦彦と入れ違いで早くシャワー浴びた方がいいよ。これから食事へ行ったようなアリバイを作る時は、本当にどこかお店に寄った方がいいわ。焼き鳥屋とか焼き肉屋とか、解りやすい所に少し留まれば十分よ。案外店に行ったかどうかは臭いでバレちゃうから、言い訳する時は注意が必要。とにかくすぐ電話を切って行動して。くれぐれもボロ出さないように、気を付けるのよ』

　美奈は佐伯さんみたいな事を言う。

　やっぱり彼女はシロなのだろうか････？
　それともここまで考え付くのはクロ････？

　彼女の真偽が全然分からない。