Diary1:始動

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 るりと逢引に使うお金はあるんだから、ケチらないでよ、って思わず嫌味が口走りそうになるのを必死に堪えた。 「じゃなきゃ機嫌直さなーいっ」  これはもう、離婚一択しかないでしょ。二人を追い込むしかない。  だって、浮気されたんだもの!  るりに触った手で私に触れるなんて、正気の沙汰じゃない。  そんな汚れた手で私に触らないで欲しい!!  転売できそうな質のいいブランドもののバックを買わせよう。うんと高い物。ほとぼり冷めたら売るつもりで考えておこう。  裏切りの代償は、何にも埋められない。行きずりの女性とのワンナイトラブ(それでも赦せないけど)ならまだしも、親友のるりと寝るなんて・・・・。  どうかしてる!! 絶対に絶対に赦せない!  吐き気が込み上げてきた。気持ち悪い。敦彦がこんなことできる人だったなんて、本当に最悪。最悪最悪最悪。無理無理無理無理・・・・。  口元を覆って吐き気を堪えていると、敦彦が笑いながら『つわりか?』みたいな感じの目で見て来たの!  そんなわけないでしょ! 抱いてもくれないじゃない! ここ暫くレスだったし!  生理は少し前にきちんと予定通りありましたから!!  
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