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酷い冗談ね。デリカシーも無くて、お調子者。本当に最悪。泣きたい。
「顔色悪いぞ。大丈夫か?」
本当に子供ができたのか、というような顔で心配そうに私をのぞき込む敦彦が伸ばした手を、思わず払ってしまった。今の状況で妊娠しても、誰も喜ばない。子供も不幸になるだけだ。
「大丈夫。悪いけれどもう遅いから、寝る事にするわ。少し疲れが出たのかも。買ってきてくれたケーキはまた明日食べるから、冷蔵庫に入れておいてくれる? ごめんね」
私は敦彦をリビングに残し、さっさと寝室に引き上げた。今日の為にへそくりで買ったワンピースを脱ぎ、ベッドへ投げつけた。
悔しい! 悔しい、悔しい、悔しい!!
どうしてるりなの? どうして敦彦、るりと寝たりしたの・・・・。
あの子は私の親友なのに。
ずっと、ず――っと、私は小学校の時から親友だと思っていた。
何でも打ち明けて、何でも相談して、いろんなコイバナして、お互いの結婚式にも参列して、お互いがパートナーに誓う愛の形も見届けた筈なのに。
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